セカイノカタチ

世界のカタチを探求するブログ。関数型言語に興味があり、HaskellやScalaを勉強中。最近はカメラの話題も多め

夢の構造についての考察

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そもそも、夢とは何でしょうか?

夢をかなえるとはどういうことなのでしょうか?

そして、どうやったら夢はかなうのでしょうか?

誰もが知っている言葉ですが、いざ厳密に定義しようとすると難しいものです。

ぱっと思い浮かぶのが「サッカー選手になりたい」とか「5kg痩せたい」と言った将来の自分の「こうなりたい」という理想を思い描くことです。

「今の彼女と別れたい」とか「会社辞めたい」などのネガティブな夢もあるとは思いますが、これも「こうなりたい」という願望が現れています。

どうやら夢というのは、理想と現実のギャップから生じて、そのギャップを埋める行動を促す存在であるようです。

なんの為に生き、どうやって死ぬのか?

それはひとえにどんな夢を見て、どう行動したかということの結果でしかありません。

「自分は夢なんて見ない」という人もいると思いますが、一口に「夢」と言っても大小様々で、小さいものであれば、「今日のお昼にラーメンを食べたい」というような見てすぐかなう(もしくは失敗する)夢もあるわけです。

人として生きる以上、何らかの形で欲求や願望は常に生じていると思いますが、どんなサイズの夢でも構造は同じです。ただ、極小の夢は、結果までのスパンが非常に短いために日頃の生活の中で意識されないだけなのです。

そして、大きな夢であっても原理が一緒だということを知ることによって、より大きな夢を見て行動することの素晴らしさが解ってもらえると思います。

夢を定める

人間の脳から生み出されるありとあらゆる欲求・願望が「夢」という形をしているのですが、範囲が広すぎるので、ここでの話題は、「自分の行動原理としてはっきりと認識した夢」を対象とします。

逆に言うと、「夢を夢として認識する」ことは非常に大切です。

よく、「夢しか実現しない」と言われますが、認識されない夢は夢としての実体を持っていませんし、それに向かって行動もしないわけです。万が一、かなったと呼べるような状態になったとしても、夢では無いので、かなったとは言えないわけです。

詭弁のようですが、大事なことです。

まずは、自分が何を望むのか、どうなりたいのか、何が好きなのか、どういう人間でありたいのかということについて、自分自身に問いかける必要があります。

「夢」は、どんなものでも構いませんが、「夢をかなえる」為には夢をチューンナップする必要があります。

それは、より具体的な夢を定義することです。「お金持ちになりたい」という夢はかないにくく、「日本一の個人投資家になる」という夢のほうが、かないやすいということです。

そして、夢を具体化していく過程では、自分の本質的な「好きなこと」が影響してきます。

誰も嫌いなことを夢にして、それを達成したいとは思わないでしょう。

運動が好き、ゲームが好き、動物が好き、子供が好き、など、好き嫌いは人それぞれあると思います。

その個性が、夢に反映され、一人ひとりの具体的な夢になっていくわけです。

  • より具体的であること
  • 自分自身の好き嫌い、個性が反映されていること

自分自身のことです、おもいっきりワガママで構わないのです。

あなたが、超自己中な夢を見たからといって、誰に迷惑がかかるわけではありません。

そうして、「これぞ自分の夢」というものが見つけられたら、それを紙に書きましょう。

繰り返しますが、遠慮はいりません。

誰かに見せるわけではありません(見せてもいいけど)。

自分自身に対して、ちょっと「お知らせ」する程度のことです。

何度書き換えてもいいのです。

試しに書いてみましょう。

計画を立てる

夢を書き出す事ができたら、具体的な行動にブレイクダウンします。

夢をかなえるために、必要だと思えるような行動をリストアップして、計画を立てます。

計画はいくつあっても構いませんが、一つづつしか取り組めませんので、より重要なものを選定する必要があります。

計画には以下の項目が必要です

  • 目標
  • 最終期限
  • リソース

目標というのは、計画を達成するための達成基準です。

例えば、「簿記2級を取る」とか「毎日店の前を掃除する」など、具体的な行動で、更に達成したかしていないかが、明確に解るものが良いです。

これに対して、最終期限を決めます。試験であれば試験日もしくは発表日かもしれませんし、特に定めの無いものであれば、自分で決めます。

そして、「目標」を「最終期限」までに達成する為に必要なリソースを見積もります。

リソースとは、あなたが目標のために投入できる資源のことで、お金、人員、物資などです、中でもとりわけ重要なのが、時間です。

あなたが、資産家や経営者で無い限り、お金人員物資を投入するというのは限度があります。

そして、これらの物もひいては、「時間」を短縮させる為に利用されるのです。

時間というのは、誰にとっても等しく有限で貴重な資産です。

特に、小さな夢、小さな計画にとっては、投入する時間だけが成否を分けると言っても過言ではありません。

「毎日5分の運動でみるみる痩せる」なんていう謳い文句はよく聞きますが、それでもダイエットは成功しません。

「毎日5分」という時間を割くことができないのです。

それだけ、日常生活で色々なしがらみに囚われている我々にとって、時間を割り当てるということは難しい行為なのです。

恐らく、ダイエットという目標に対しては、「毎日5分」をリソースとして提供すれば、大概成功すると思います。

これが出来るかできないかが、計画にとってとても重要なピースになってくるわけです。

目標のために時間を割けるかどうかは「夢」の存在が大きいです。

「夢」に向かう情熱が大きいほど成功しやすくなります。

タスク化する

計画に見合うリソースを割り当てる覚悟ができたら、実行するためのタスク化します。

タスクは、わかりやすい単位で行動を細分化したものです。

TODOリストを管理している人であれば、TODOの一つ一つと思って貰って構いません。

  • ジョギングする(毎日)
  • 野菜ジュースを飲む(毎日)
  • 試験の申し込みをする
  • 試験勉強を1時間する(毎日)

という感じです。やりやすい方法で、細分化して管理すると良いとおもいます。

行動する。計画の実行・失敗

計画の成功ではなく、失敗です。

折角計画を立てたのに、出鼻を挫くようで申し訳ないですが、恐らく、貴方の計画は失敗するでしょう。

これは、十中八九間違いないことです。

夢と計画を分けた意味がここにあります。

夢とは、個別の計画が目指す到達ポイントという役割を持ちます。

そして、個別の計画は、大概失敗します。

見込みが甘かったり、どうやっても達成不能な目標だったり、予定したリソースを割けなかったり。

理由はいくらでもありますが、目標の達成というのは難しいものです。

そのため、「失敗しない方法」を考えるより「如何に失敗するか」について議論したほうが有意義となります。

より良い失敗方法は、以下のようなものです。

  • 素早く失敗する
  • 頻繁に失敗する
  • 数多く失敗する

つまり、多くの失敗を経験する必要があるということです。

何も試していない夢は、妄想の域を出ませんが、色々計画を立てて試してみた夢は、実現に向かっているプロジェクトです。

「うまくいくかわからない沢山の計画」は、ワクワクしますが、価値がありません。

「うまくいかなかった沢山の計画」は、ガッカリですが、非常に大きな価値があります。

そのやり方ではうまくいかないということが、ハッキリしているからです。

次は、もっと別のアイディアで別の計画を立てて、別のチャレンジをすればいいということになります。

気をつけなければいけないのが、全てのチャレンジは同じ方向を向いている必要があるということです。

思いつきで、行き当たりばったりの挑戦では、失敗(や成功)が経験値として積み上がりません。

同じゴールに向かって、何回も失敗することで、ゴールの方向に向かって実績を積み上げていくことが出来るのです。

そのための根本となる「夢」は非常に重要になります。

いくつもの経験を踏まえることで、夢の方もリファインされて、より具体的に自分らしくなっているかもしれません。

こうして、夢は現実のものになるのです。

夢の構造

改めて夢の構造について考えますと、下記のような構造になっています。

個別の計画で見ると、「夢」から仮説を立てて「計画」を作成します。

計画の内容は、「目標」と「最終期限」を定め、それを達成するのに必要な「リソース」を見積もります。

そして、それらを元にここのタスクに落としこむわけです。

計画は、成功したり失敗したりしますが、個別の計画の結果は、評価して次の計画や夢そのものに反映させます。

これを繰り返していきます。

こうしてみると、北極星としての「夢」の存在が大きいです。

個別の計画をブレなく支えるもの。それが「夢」です。

個別の計画というのは、明確に達成基準が定まっており、それを達成(失敗)することで明確に「夢」に対しての状況が変化するものが望ましいです。

例えば、夢が「弁護士になる」だったら、計画は「○✕大学法学部に合格する」とかになるわけです。

そして、沢山失敗する必要があるので、計画はなるべく小さい方が良いです。

なるべく小さな計画を繰り返し繰り返し実行する・・・?

もし、システム開発に携わる人が、ここまで読んだのであれば、この構造がシステム開発プロジェクトとほとんど変わらないことに気づいたかもしれません。

そして、「夢」を「ビジネス」や「ビジョン」に置き換えることで、多くの会社がやっていることを言い表せます。

ビジョンを立てて、個別の計画を実行していく。

結局、この構造は、個人や会社、国家においても繰り返し現れる本質的な構造となります。

わかってみれば、なんてこと無い話です。

身も蓋もない。

夢というビジョンを持ったプロジェクトのマネージャーとなって、目標達成までタスクを進捗させていくことになります。

僕はここで軽く絶望しましたが、絶望している暇はありません。

夢に向かって、行動を起こすのみです。