セカイノカタチ

世界のカタチを探求するブログ。関数型言語に興味があり、HaskellやScalaを勉強中。最近はカメラの話題も多め

カメラ・レンズの不思議なパラメータ「F値」について

カメラの撮影時に設定するパラメータは、色々な種類があるのですが、その中でも一番難解な値といえば「F値」でしょう。

「絞り」ともいわれ、レンズによって最大(最小)の値が設定されていて、良いレンズ(高いレンズ)で、F1.4とかF2.8とかの値になっており、

F値=「焦点距離」÷「開口部の直径」

F値とは、焦点距離を有効口径で割って求められます。

と言っても、これをイメージするのは結構難しいので、図を貼ります。

このように、カメラには「絞り装置」というものがついていて、レンズの口を絞って、到達する光の量をコントロールすることが可能になっています。

ポイント1 「光量と数値が反比例」

どんどん絞っていけば、F4, F8, F11と、数値はどんどん上がっていきます。

ですが、絞れば絞るほど光の量が減っていくのに、逆にF値の数値は上がっていってしまいます。

この、反比例する関係がわかりにくいです。

これは、有効口径を1として、焦点距離をその倍数で表すためです。

絞り装置は、有効口径を変化させるので、いくら絞ったとしても焦点距離は固定です。

変化する値の方を1と取り、固定的な方の値が変化する形になるため、数字の動きが反比例となるのですが、直感的じゃないですよね。

もう一度、先程の図を例示します。

ポイント2 「直径と面積の違い」

F値を決定する要素は、焦点距離と有効口径です。

有効口径とは、レンズを正面から見た時の円の直径となるわけですが、ここにも罠が潜んでいます。

写真に影響する値は、光の量なので、数値としてリニアに直結するのは、円の直径ではなく、開口部の「面積」です。

円の面積の公式は「半径×半径×π」で求められるのですが、これは、直径の2乗に比例するということです。

正確に言うと、F値は直径に反比例しますので、F値の増加の2乗に反比例して光の量が少なくなります。

このため、F1から、光の量を半分にしたかった場合、F2ではなく、√2 = 1.4142...でF1.4を選ばなければなりません。

図示します。

光の量をコントロールするパラメータとして、同じように重要な値として、シャッタースピードとISO感度が有りますが、こちらは線形に動作し、倍々/半分半分の刻みで調整します。

しかし、絞りの場合、同じように半分にしていこうとすると、下記の表のように一見中途半端な値となります。

光量 1 1/2 1/4 1/8 1/16 1/32 1/64 1/128 1/256 1/512
F値 1 1.4 2 2.8 4 5.6 8 11 16 22

なお、絞りによって光の量が半分になる値(つまりこの表の値)の目盛りを「一段」と呼びます。

流石にこれだと大雑把すぎるので、一眼レフなどでは、1/2段とか1/3段の刻みで調整できるようになっているようです。

F値の調整の仕方

適正な露出を得るための値を基準とすると、F値を1段すすめる(絞る)ためには、シャッタスピートを半分にするか、ISO感度を倍にする(か、各々1/2段ずらす)必要があります。

この「F値(が表す円の面積)」×「シャッタスピート」×「ISO感度」の関係は、掛け算になっていますので、必要な光量が決まっているのであれば、どれかを倍にすれば別の要素を1/2にする必要があります。

そのため、F値については、他の値に対応する「段」については覚える必要があります。

幸いなことに、F値は、F1.4からF22の間で設定することがほとんどなので、上記の表を覚えておけば問題ないと思います。