セカイノカタチ

世界のカタチを探求するブログ。関数型言語に興味があり、HaskellやScalaを勉強中。最近はカメラの話題も多め

浅いタスク切り替えと深いタスク切り替え

私たちは、日常的に様々な仕事を切り替えながらこなしています。

資料作成中に電話に出たり、色々な種類にミーティングに出たりしています。

一般にタスク切り替えには、ロスタイムが生じると言われています。

これは、狭義には、上記の「資料作成中に電話にでる」などのシチュエーションの事を指しており、一瞬の集中断から復帰するのに10分ぐらいかかると言われています。

そのため、プログラミングなどの集中をともなう仕事をするときは、なるべく外部からの中断が入らないような環境に身をおくことが望ましいとされています。

最近、このタスク切り替えにともなう時間のロスにも階層があることに気が付きました。

より集中を要する仕事を行う場合、狭義に言うところのその場の集中だけでなく、生活全般を通したより長期間での集中が必要なのです。

イメージとして、適当な模式図を示します。

アプリケーションや、ビジネス、研究や探求といったレベルの思索を行う必要がある時には、より深いレベルの集中を行うことによって、よりハイレベルな仕事をすることができます。

例えば、「空き家の売買システムを構築して、新しいビジネスを始めよう」と言ったレベルの仕事に取り掛かる場合、頭の中身を「空き家の売買システム」で満たす必要があります。

四六時中そのことを考え、色々な関連する事柄(プログラミングの知識や、システムの込み入った問題、法律や統計データ、専門的な用語や論文、文献の内容など)で、頭のなかを一杯にして、いつでも関連する情報が出し入れできる状態にしておく必要があるのです。

そうしなければ、極限レベルの仕事は引き出せません。

これには、数週間や数ヶ月と言ったレベルの時間がかかることもあるでしょう。

逆に、この種の集中は、細かいタスクの外乱に乱されることはあまりありません。

電話にちょっと出たり、ご飯を食べに出かけたからといって、覚えた法律の知識をすぐに忘れるわけではないのです。

しかし、この種の集中は一旦途切れてしまうと、切り替えた時と同じく、数週間や数ヶ月といったレベルで他のタスクに邪魔されて、戻ってこれなくなる危険性があります。

というか、よくあります。

一度集中を始めたら、何があってもしがみつく覚悟が必要です。そうしなければ、「あとちょっと」という所で色々な外乱に巻き込まれて全てが忘却の彼方へ消し飛ばされてしまうでしょう。

記憶容量は有限である以上、そのに入るものを選定するのは、とても大切です。

そして、2つ以上のものを入れた場合には、1つあたりの容量は小さくなり、切り替えのためのロスが生じるのです。

限界まで思索を進めるためには、無関係な事柄を中長期記憶領域からも排出し、そこにも必要な事柄を詰め込み最大の関連性ネットワークを構築して最大限のパフォーマンスを引き出す必要があるでしょう。

アイデアというのは、10分の1の集中で10分の1のアイデアが出るというわけではなく、ある閾値を超えた時に初めて素晴らしいアイデアが閃きます。

良い仕事をするためには、一つのことに集中するべきです。

タスク切り替えをなるべく減らすのです。