セカイノカタチ

世界のカタチを探求するブログ。関数型言語に興味があり、HaskellやScalaを勉強中。最近はカメラの話題も多め

私たちの「脳」も体積・密度の制約を受けている

qtamaki.hatenablog.com

以前に、情報は必ず密度を持つというエントリーを書いたのですが、更にいうと、私たちの「脳」、つまり、精神や記憶に関しても、同じ制約から逃れることはできません。

私たちの脳が、物理現象から完全に切り離された、精神世界だけの存在であればとても良いのですが、残念ならがそうではありません。

脳に損傷を受けたり、病気によって機能が欠落すると、人間の精神活動に多大な影響を及ぼすことからも、精神と脳が切っても切れない関係にあることは明白です。

人間の脳の重さは、1200~1500gぐらいだそうです。ここに私たちの精神の大部分が詰まっているわけです*1

そして、脳はエネルギーも大量に消費します。人間の基礎代謝の20%ほどを消費し、400キロカロリーほどに相当するそうです。

これが、ただ「考える」だけで消費されていくのですから、人間の脳は、まごうことなき物理現象だといえます。

物理現象であるからには、その体積や密度が、人間の精神構造や記憶容量、扱える複雑さの限界に対して物理的な制約を受けることも、逃れようがない事実となります*2

人間の脳が、どのぐらいの効率を持って、どのぐらいの複雑さを扱えるのか?ということに関しては未知数ですが、無限に情報を蓄積できるわけではなく、無制限に複雑な事象を理解できるわけではないということは、間違いないでしょう。

知性や精神は「肉体から切り離されて無限の広がりを持つ」ということはなく、物理的な形状を持っていて、その枠による制限を受けながら特性に沿って活動しています。このことを前提として置いておくと、世界の見え方や考え方が少し変わってくるかもしれません。

brain 2

*1:大部分というのは、脳だって単体で動いているわけではなく、全身のパーツと組織的に影響し合いながら活動しているからです

*2:体積や密度が高ければ賢いと言っているわけではないですよ。念のため