セカイノカタチ

世界のカタチを探求するブログ。関数型言語に興味があり、HaskellやScalaを勉強中。最近はカメラの話題も多め

がっこうぐらし!を観た(アニメ感想文)(ネタバレ)

がっこうぐらし!

がっこうぐらし!

オススメ度: ★★★☆☆

アマゾンプライムに出現したので観てみました。

これは、ネタバレ無しに感想を書くことが不可能だと思いますので、思いっきりネタバレを含みます。

ご注意ください。

ネタバレ注意。

感想

まず、幸せな感じの高校生活から始まります。

1話のラストにそれが主人公の1人である「丈槍由紀(たけやゆき)」が現実逃避するために作り出した妄想で、実際の学校はゾンビに襲われ、窓ガラスは全部割れ荒廃しきった場所であることが露わになります。

まるで、ドラクエ2のロンダルキアにあるハーゴンの神殿のようだ!!!(どさくさに紛れてドラクエ2のネタバレ)

という、「出オチ」が全てのアニメです。

本放送のときにツイッターにスクショが流れてきてたので、薄々は知っていたのですが、リアルタイムで観ていたら本当にビックリしただろうなー。と思います。

以上

出オチ以降の感想

と、出オチなんで、ここでこのアニメは終わりで良いぐらいなのですが、あと10話ぐらいゾンビとの戦いの日々が続きます。なんと、12話中、11話が蛇足。^^;

まあ、各キャラクターを掘り下げたり、後半でさらなるビックリが仕掛けられていたりと、それなりに観られる話にはなっていますが、中途半端なんですよねえ。

「萌系の日常アニメ」と「ゾンビ物」の融合を目指したんだと思いますが、食合せの悪さが半端ない。^^;

全体の半分ぐらいを占める、日常系としての「ほのぼの」が、ゾンビがうろつく学校内の心もとない生活圏で行われるという心休まらなさ。日常系のアニメの需要って、日々の辛い現実から逃避して、美少女たちがゆるくボケたり突っ込んだりするのを眺めて、ささくれ立った心を癒やすっていうのが、大きいと思うのですが、心休まらない日常系というのは現実世界の不安感を増幅する加速装置でしかなく、全然こころぴょんぴょんしません。^^;

ゾンビサバイバルとして観た時も、ほのぼのしていてもなんとか生きていける程度に弱体化されたゾンビの不甲斐なさが、観るものを苛立たせます。ゾンビ系の映画を観るモチベーションって、ゾンビに囲まれた絶体絶命の状況を人間側が如何に知恵と勇気で打破していくのか?というギリギリの攻防にあると思うのですが、その逼迫感もありませんし、ゾンビが弱い上に「夜は家に帰る」という習性のおかげて、日中はゆるく日常していても生きていけるのですが、ちょっと頑張れば抜け出せる状況であえて努力をしないというのは、自己責任論に通ずるものがあり、主人公たちへの共感もモリモリ削いでいきますし、逼迫した状況に陥ったときに「ほれ見たことか」「自業自得や」という感想しか無く、自分の心の狭さに落胆します。^^;

更に言うと、難易度がイージーすぎてそのままだと物語としての盛り上がりに欠けるため、現実逃避を続ける丈槍由紀によって、不条理な「虎の尾を踏みに行く」系イベントが不定期に発動します。そして、何故かそれに従うメンバーたち。

いやあ、ホラー映画で、一旦脱出した主人公が「あの子がいない!」とか言いながら再び死地に戻っていくのは定番ではありますが、「いやその理屈はおかしい(´・ω・`)」と真顔になります。

そもそも、「細腕の女子高生がシャベルで殴ると死ぬ」程度のゾンビが時折うろつく程度だったら、ほのぼのしてないで全力で頑張れば脱出できるんじゃねーの?

という、ストレスを抱えながら11話観るのは本当に辛い。

まあ、なんというか、そんな感じです。

良いところ

出オチは、素晴らしく良いです。電撃作戦大成功!割れ赫々たる成果!!と誇って良いと思います。

あと、人物描写がなかなかよくて、各人がそれぞれに「被災」したことによる心の傷を抱えています。単に、不安と恐怖と悲しみをクローズアップして、ゾンビ者としてシリアスに倒したら面白かったんじゃないかと思います。

萌系としても、テンポがあってキャラもかわいいし、逆にゾンビを無視できるぐらい弱くして、最終話直前まで萌え萌えしてたら良かったのかもしれません。

個別のパーツのクオリティはとても高い気がします。

本当に惜しい感じです。