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※ ネタバレを極力排して書きます(とはいえ流石にゼロには出来ない・・・)
アマゾンプライムに「幼女戦記」が出現しました。
とても面白いです。
タイトルからして、ロリコンアニオタ向けとしか思えない風情ですが、意外にも(?)、中身はハードな戦争物です。
舞台は第一次世界大戦前夜のヨーロッパな感じのパラレルワールドです。
なんでパラレルワールドかって言うと、「魔法」が存在するからです。
第一次世界大戦以前なので、飛行機は貧弱で、戦車は登場しません。主な兵器は「突撃銃」と「大砲」なのですが、そこに魔法使いである「魔法士官」が登場します。
魔法士官の能力は「低空を飛べる(ヘリコプターぐらい)」ことと「銃器から炸薬のような爆発性の何かを射出できる」ことと「ちょっとしたバリアを張れる」ことです。
地味ですが、戦場においては通常部隊のサポート役として強力な威力を発揮するため、重要な戦力として活躍します。
物語の主人公はこの「魔導士官」の一人であり、タイトル通り幼女ですが、中身はおっさんです(・・・何言っているかわからないと思うがありのままに話すぜ!?)。
それも合理主義者で唯物論者で社畜なリストラ担当のサラリーマンの頭脳がインプットされているため、敵味方とも冷徹で合理的な判断の元、容赦なく切り捨てます。
その手際の鋭敏さと、裏腹に進み行く軍社会の政治に翻弄される姿が、観ていて小気味よいテンポを生み出します。
主人公は士官ですから、部隊の指揮官として立てば、ハートマン軍曹よろしく部隊に激を飛ばします。部隊の隊員たちは、中身が「化物」であることを知っていますので、真面目に傾注しているのですが、見た目が幼女なのでギャップが面白くなります。
この「幼女の皮をかぶった化物」っぷりを堪能するのが、このアニメの正しい楽しみ方だと思われます。
そして、腹中色々ソロバンを弾く幼女の思惑とは裏腹に過酷な運命に翻弄されるストーリーも奥深く、時折入るシニカルなギャグにニヤリとさせられます。
主人公のサポート役として、終始付き従う部下のセレブリャコーフという女の子がいるのですが、天然で純真でちょっとアホなキャラで、殺伐とした戦場にひとときの和みをもたらしてくれるのでとても良いです。
戦闘シーンは生身で戦うガンダムだ
色々見どころの多い作品なのですが、戦闘シーンも見どころの1つです。
最近のアニメだと普通なのかもしれませんが、作画もしっかりしておりグリグリ動く上に魔法陣のエフェクトCGが凝ってて「映画か!?」と思うほどでした。
魔導士官同士の戦闘は、生身の体に軍服とちょっとした補助器具で縦横無尽に空を飛び、敵味方が入り乱れて魔力銃を撃ち合います。
感想を一言で言うと、これは生身のガンダムだと思いました。
空中を飛び回りながら、独り言だか通信だか判然としないセリフを各々喋ったり、ビームっぽい破壊力満点の銃火器を撃ち合ったり、撃墜されて落下したり、近接戦闘になり銃剣で切り合ったり、熱い戦闘シーンはガンダム以外の何者でもない!(褒めてる?)
次々襲い来るおっさんたちが、「なんだ子供か」と見くびりながらバタバタとなぎ倒されていく流れもファーストガンダムを彷彿とさせます。
死にゆくおっさんたちがカッコイイ!
やっぱり軍人は散り際が命です。
「死に際良ければ全てよし」とは昔の人もよく言ったものです(言ってない)。
大規模戦闘もあり、人がゴミのように死ぬ過酷なシーンも多いので、ほんわかした気分をお求めの方は観ないほうが良いかもしれません。
そういう意味では、タイトルに似合わず、「戦争の凄惨さ」を全面に押し出したシリアスな作品だといえます。
まとめると
ストーリー、キャラ、作画、戦闘シーン、ギャグ、色んな要素が織り交ざって上手いこと作品としてのまとまりを見せています。
40絡みのおっさんが人前で口にするを憚るタイトルですが、ぜひ観て欲しいと思いました。
蛇足ですが、友人が原作の小説を読んでいて、「原作だと文字なんで、ただのおっさんの話にしか見えなかったから、アニメ化されて良かった」との事でした。
確かに、文章だけだと、おっさんが主人公の軍記物にしか見えんな。^^;