セカイノカタチ

世界のカタチを探求するブログ。関数型言語に興味があり、HaskellやScalaを勉強中。最近はカメラの話題も多め

エルデンリングをクリアした(何ならトロコンした)ので感想を書く(ゲーム感想文)(ネタバレ無し)

先日、160時間かかってエルデンリングをクリアし、更には全実績解除(トロフィーコンプリート)までプレイしたので感想を述べたいと思う。

私のシリーズプレイ経験は、デモンズソウル、ダークソウル1,2,3、Boodborne、SEKIROをクリアしている(つまりフロム・ソフトウェアのソウルシリーズすべてだ)。同系統のプレイ経験は豊富と言って差し支えないだろう。

エルデンリングは、フロム・ソフトウェアが開発したアクションRPGである。ダークソウルシリーズの流れをくむ、三人称視点の高難易度ゲーム、所謂「死にゲー」と呼ばれるジャンルの最新作となる。というような前置きは、もはや不要かもしれない。ある程度ゲームに興味があって、タイトルを見てこの記事を読みに来てくれた人であれば、どのようなゲームなのかはだいたいご存知であろう。

今作の特徴であり最大の売り文句は"ダークソウルがついにオープンワールド化した"という点である(ただし、公式には"オープンワールド"という呼称は使われてはいない)。従来のソウルシリーズは、ある程度のサイズのフィールドでステージが区切られており、各ステージ間の移動にはボスを倒さなければいけなかったり、特殊なアイテムが必要だったりした。また、各ステージは非常に密度の濃い立体的な構造をしていることが多く、むき出しの悪意を隠そうともしない各種仕掛けや凶悪な敵の配置などでプレイヤーキャラクターの生命を無残に奪い去ることで、私達プレイヤーを苦しめ、震え上がらせてきた。

オープンワールド化ということで、自由に広大なフィールドを自由に移動できるというのはソウルシリーズをプレイしたゲーマーであれば誰もが夢見た世界であり、大きな期待を寄せられるところではあるが、フロムの真骨頂である閉鎖空間における高密度なゲーム体験が担保されるのかという点においては、不安が入り交じる要素でもあった。

狭間の地

自分のプレイ内容

発売日を待ちわびて、早速プレイした私はまたたく間にエルデンリングの魅力に虜になった。そして、めくるめく冒険の旅を体験し、220時間経った頃には全実績を解除してしまった。それでもなお遊び足りない気持ちで、未だにプレイを続けているぐらい、本作にどっぷりハマってしまっている。

プレイ前に不安を感じていた、広大なオープンワールドと高密度なゲーム体験のトレードオフの問題は、「広大なフィールドにイベントやオブジェクト、美しい景観などをとにかく高密度に詰め込む」という、とても正気の沙汰とは思えないクレイジーな解決方法をもって答えを出していた。このゲームは、とにかく飽きさせない。止め時を失うほど次から次へと新しいイベントやオブジェクトが配置されており、序盤で手に入る馬を駆って広大なフィールドを駆け回っても良いし、怪しいところを見つけたら腰を落ち着けて周囲を探索すれば、隠されたご褒美を掘り起こすことができるので、膨大な量の冒険がプレイヤーの欲求にどこまでも答えてくれる。私がエルデンリングに感じた最も強い感情は、圧倒的なボリューム感に対する恐れである。時を忘れて探索しても、まだほんの小指の先程の要素を攻略したに過ぎないのだ。このゲームは一体どこまで掘り進めることができるのだろう?と途中、恐れにも似た感情を抱きながら広がり続けるフィールドを探索し続けていた。

そして、本作が恐ろしいのはフィールドの広さと密度だけではない。武器や魔法、祈祷といった数多くのアイテムが探索の報酬として手に入り、それらの組み合わせによって取れる戦略の幅が非常に広い点も大きな特徴の一つだ。フィールドの広さと、キャラクタービルドの組み合わせが掛け算となっており、同じマップで同じ敵やボスと戦うにしても、どういった装備やステータスで望むのかによって、プレイ体験が大きく異なってくる。そのため、やろうと思えば何回だって同じフィールドを周回し直すことが可能だ。そして、その度に新しい発見や新しい体験が待っている。プレイヤーの数だけ冒険とドラマが待っていると言っても過言ではないだろう。

私は当初、技量を高めて技量系の武器を扱うビルド*1で冒険を進めていた。ソウルシリーズにおいて技量系は冷遇される傾向にあるのだが、それでも出血を伴う攻撃は、今作において最強の属性攻撃の一角を担うため、強大なボスに対してもなんとか伍して戦えていた。そのうち、ステータスの振り直しができる要素が開放されたので、今度は知力と精神力を高め、強力な魔術を扱う魔法使いにビルドを変更した。変更したての頃は、杖を振るてもおぼつかない感じではあったが、段々と強い魔術等に慣れてくると、無双の強さを発揮し、2周めのクリアまで駆け抜けてしまった。今はまた祈祷師に転職して、新たなプレイスタイルを模索している。

といったように、プレイの幅を大きく許容してくれる懐の深さも本作の魅力の一つとなる。これらの要素は、当然ながらアイテムや魔法が揃い始める中盤から後半にかけてのほうが選択肢が増え、面白みが増してくる。そのため、本作はプレイしはじめの取っ掛かりからすでに他に類を見ないような面白さであるにも関わらず、プレイを進めていくに連れて面白さが増していくという驚異的なゲームとなっている。

強敵を打ち倒すために夥しい数の試行錯誤が必要

秀逸なストーリー基盤

この他にも、戦灰や戦技といった本作から導入された要素もプレイに深みを増す役割を担っており、上げればきりがないのだが、それらを差し置いてでも特筆すべきはストーリーである。ゲームの製作発表時から、ストーリーの根幹をなす神話部分には、「ゲーム・オブ・スローンズ」のジョージ・R・R・マーティン氏が携わっているということで話題になった。従来のソウルシリーズは、高難易度なゲームプレイとともに難解なストーリーテリングにも定評がある。それは、決して直接的にはストーリーを語らず、マップに配置された石像などのオブジェクトや、アイテムの配置、アイテムなどの詳細画面で確認できるフレーバーテキストによって抽象的に表現されるという手法をとっており、俗に「環境ストーリーテリング」と呼ばれている。これまでのやり方と、ジョージ・R・R・マーティン氏のストーリーがどのように絡み合うのかというのが、期待半分、不安半分といった要素となっていた。

こちらに関する感想としては、文句なしの満点を贈りたいと思う。これだけの膨大なゲーム的な要素の中にあって、エルデンリングを巡るデミゴッドたちの物語が、ゲーム体験を邪魔をすることなく、むしろストーリー要素によって大きく没入感を高めることに成功しているのである。本作においても、物語の直接的な事実については注意深く秘められているのだが、従来のソウルシリーズの物語と比べて、より具体的で整合性の取れた物語の基礎が築かれていると感じることができた。

従来のシリーズに於いては、その世界が辿ってきた物語の軌跡や、登場する神々の関係性は秘められており、あちこちに矛盾が生じると感じることも多かった。とは言え、それは決して悪いことではなく、逆にプレイヤーたちの想像を刺激し、様々な考察を呼び起こすことで、シリーズファンによるコミュニティが形成される魅力的な要素となっていた。

本作では、より具体的な芯をもったデミゴッドや登場キャラクターのストーリーがゲーム内に盛り込まれており、キャラクターの魅力を高めることに成功している。その証拠に、本作は発売以降、ファンアートやプレイヤーの感想、考察、プレイ動画などがひっきりなしにSNSに上げられており、それは今も衰えることなく続いている。そこからは、本作のファンたちのキャラやゲームに対する愛情が溢れんばかりに感じられる。

私も、ストーリーのつながりが気になってしまい、既に大量に上げられている動画やテキストコンテンツを読み漁ってしまったのだが、いつものフロムゲームよりもストーリーのベースラインがしっかりしているため、しっかりと情報を集めるとデミゴット同士の関係性や各キャラのサイドストーリーなどが浮かび上がってくる仕組みとなっており、こちらにおいても「探索」の喜びを与えてくれている。そして、全貌が仄かに見えてくる物語は、読みごたえのあるボリュームでしっかりと作り込まれていることがわかり、探索の手応えが感じられて嬉しい。

本作ではあまり触れられていないキャラクターやデミゴットが何人か存在しているため、もしDLCが追加されるのであれば、その辺のところが掘り下げられることを期待したい。

美しさのあまりスクショを撮ってしまう

考察

エルデンリングとは何なのか?と考えると、古今例を見ないほどの大傑作であることは間違いない。今後発売されるオープンワールドゲームのベンチマークとなることは間違いないし、このゲームを基準にクオリティを推し量られるゲームは可哀想だとすら思える。当のフロム・ソフトウェア自身も本作を超える作品を作るというのは並大抵のことではないだろう。それだけ、フィールドの広さ、密度、戦略の幅、ストーリー、オンライン要素(ちょっと語りきれない)等が、高いレベルでバランスされており、私がそうであったように、多くの人がめくるめく冒険の旅を楽しむことができるだろう。

とはいえ気になる点が無いわけではない。膨大な量の要素の組み合わせによって、取れる戦略の幅がとても広いため、特定のボスや特定のステージが、とても高い難易度に感じてしまったり、逆にあっさりと撃破してしまい味気なく感じてしまうことがあった。これは、自由度の裏返しとして仕方ない点であり、逆に自由度を絞ることによって、密度の濃いやりごたえのあるゲームバランスを提供するという試みをフロム・ソフトウェアは前作のSEKIROで行っている。こちらもずば抜けた傑作であることから、フロムにその力が無いわけではないことは言うまでもない。

未来においては、ビルドの組み合わせによって難易度が調整されるシステムが導入されたりもするかも知れないが、それとてユーザーの努力を無に帰すという点においてはデリケートな判断となるだろう。

総評

繰り返すが、本作はフロム・ソフトウェアの最高傑作であり、他に比べるものがないほどの体験を与えてくれるゲームである。性質上、万人におすすめできるゲームではないのかもしれないが、既に多くの人が体験し熱狂しているのにはしっかりとした理由があるのも事実だ。もし、まだ未体験なのであればぜひ手にとって、その目で確かめて見て欲しい。

*1:キャラクターのスタータスや装備によって、剣や魔法などの方向性を決めて成長させること