ふとしたきっかけで、鶴岡市にあるお寺、善宝寺が曹洞宗の禅寺だということを知りました。
鶴岡市は、山形県にあって酒田市の隣です。この善宝寺も、酒田にやってきた2年前に偶然通りがかって、あまりに立派な門構えに思わず立ち寄ってみたことがあったのですが、徳行が足りないので宗派やどんなゆかりの寺なのかまでは気にすることなく、ポケモンGOのポータルを漁って帰ったのでした。^^;
この善宝寺では、毎月「禅の集い」という初心者向けの禅の会を行っているみたいで、調べたところ、7月28日の会ならスケジュールの都合がつきそうなので、一度試しに行ってみました。
18時から19時半の1時間半の開催で、お話30分、座禅30分、お茶30分という緩めのメニューになっていて、初心者にも安心です。
18時少し前に会場に到着すると、すでに十数人の参加者+お寺の僧侶10名ほどが集まっていて、それなりに賑やかな感じでした。
最初の30分は、集まって僧侶の方のお話を聞きながらストレッチをしました。仏教の話や、体の仕組みの話を聞きながら、骨を指でつまんで動かすストレッチを教えてもらい、体をほぐします。
僧侶の方のお話で印象に残ったのは「子供のころに、永遠に続く時間の中で、なぜ自分が生まれたのか不思議に思った」とのことで、この原体験は、仏教を志す人の共通認識なのかな?と思いました。この間読んだ「感じて、ゆるす仏教」でも藤田一照さんや魚川裕司さんが同じことを語っていますし、自分も幼いころ同じ思いを抱いていたことを以前ブログに書きました。
死や永遠や無限に対する漠然とした恐怖や好奇心に駆り立てたれる人々に対して、答えを提供してくれるのが仏教の一つの側面なのかもしれません。
というのは置いといて。
そのあと、縁側に並んで座って座禅をしました。
ホームページに座禅会の写真がありますが、会場の広間は、庭園に面しており、縁側に座るとお庭が一望にできてとても良い感じです。当日は、猛暑が続いていたのですが、庭園を通る風が涼しく、蝉や虫の声も聞こえて情緒のある佇まいで、だんだん薄暗くなる中で座禅をしていると、とても心地よく落ち着いた気持ちになりました。
座禅をしていた時間は、正味20分ぐらいだったと思いますが、集中して頭がすっきりとして晴れやかな気分になり、体も軽くなったように思えました。
その後、普段はお茶を飲みながらお話をするらしいのですが、この日は、境内の五重の塔がライトアップされているということで、案内してもらうことができました。お寺の門をくぐったところにとても立派な五重の塔があるのですが、この塔が建てられたゆかりを聞くことができて、お得でした。
幕末から明治にかけて、腕の良い大工の兄弟がいて、お寺にあるいくつかの門や五重の塔は、その大工の兄弟が棟梁になって建てたそうです。あちこちに木彫りの精巧な彫刻が付いているのですが、それらもその大工の作品だそうで、よく見ると、とても人が彫ったとは思えないような精巧な飾りつけで、惚れ惚れします。
そのあとは、すぐに解散となったのですが、中々良い体験ができたと思います。
タイミングが合えば、また是非参加したいと思います。
上級者向け(?)の2時間コースや、中級者向けのコースもあるみたいなので、そちらにも挑戦してみたいです。