僕は、株式会社チェンジ・ザ・ワールドのCTOとして、山形県酒田市にある本社と自宅のある東京都小平市を行ったり来たりして生活しています。
最近では、中国で発生した新型コロナウイルスが感染を広げていて、日本でも連日のニュースで世間を賑わわせていますが、GMOやドワンゴなど、大手のインターネット企業で社員を在宅勤務に切り替える動きが増えてきてています。
自分は、3年半ほど前に東京の会社を退職し、山形でエンジニアとして生活をしているのですが、色々な事情で移住することろまでいかず、酒田と東京を行ったり来たりしながら、月の半分を東京の自宅でリモートワークして過ごしています。
山形の会社に転職することになったときのブログ記事を貼っておきます。
つまり、3年半程リモートワークして過ごしているのですが、最近は人数も増えてきてCTOを名乗ることにしたので、リモートワークするCTOとして活動しているわけです。
実践的にリモートワークしていて、かつ管理職でもあるので、それなりに珍しい事例なんじゃないかと思い、現状を少し書いてみることにしました。
1. ロケーションに依存しない組織体制を作る
そもそも、うちの会社は、固定的な拠点を持って仕事をする前提で作られていません。そのため、クラウドストレージやWebサービスを駆使して共同作業を行うことが前提とした業務となっています。
IT部門だけでなく、営業や事務や経営企画もすべての人員が、どこにいても仕事ができる環境で働いています。
実際には、多くの時間はそれぞれの場所で作業しているのですが、それはメンバー同士が近いほうがコミュニケーションが取りやすいとか、机や椅子や作業場所があったほうが便利だからで、拠点でなければ作業ができないからという理由はありません。
2. タスクの見える化
僕が管理しているIT部門に関しては、タスクはすべてチケットの形で細分化されています(モダンな会社ではIssueと呼んでいる?)。
チケット数は、チームのKPIになっていて、些細なことでもチケットを切るようにしているので膨大な量のチケットが日々生まれ消化されていきますが、各人の状況管理としては、同じ場所で仕事をするのと変わらないか、チケット管理していない会社のそれよりも見通しが良くなっていると思います。
我々の仕事は、成果が目に見える形になりにくいので、タスクの見えるかは重要で、成果物もオンライン上に保管され、すぐに確認できる形と取っている必要があります。
このことは、副次的な効果(かな?)を生み出し、弊社ではほとんど紙を使いません。ドキュメントはすべてオンラインで共有され、それぞれの端末で確認するので、紙に印刷して持ち歩くという文化は過去のものとなりました(契約書とか一部紙のものもあるけど、確認のためにはPDF化する必要がある)。
3. ビデオ通話
業務上のやり取りは、だいたいSlackで済ませています。同一拠点にいても、Slackで会話するほうが多いので、これがリモートになったからと言って違和感はありません。
また、直接の会話が必要な場合は、Slackにて「コールください」か「コールします」と告げて即時リモート会議ツールで会話を始めます。これも、相手の席に歩いていくより早かったりして、気軽に利用しています。突然コールしても出てくれないことが多いので、「コールください」とコールバックを求める文化になりました。
これぞまさに本物の"コールバック"なわけですが、APIやプログラムに限らず、日常生活でもコールバックという仕組みはとても便利ですね。
そのほかにも、週に何回か定例ミーティングがあり、不定期ミーティングも多いですが、基本的に何人かはリモート参加になります。「会議にリモートで参加する人がいる」のが当たり前の状況になっているので、こちらも現在地がどこであるかについて、あまり気にすることがありません。
4. 開発体制
開発体制は、シンプルにgitやCIを使って継続的な開発を行っています。カリカリに最新の開発手法かというと、そうでもないかもしれませんが、それなりにモダンな環境で開発を行っており、リリースも頻繁に行えています(日に数回~数日に1回程度)。
システム開発については、先人達の努力によって、現在ではロケーションフリーで開発することが当たり前となっているので、あらゆる業種の中でもリモートワークしやすい仕事の一つであろうと思います。
ビデオ通話やチャット以外にも、VSCodeのLiveShareやリアルタイムにドキュメントを共有するなど、共同作業ツールが充実してきているので、下手に同じ拠点で作業するよりも、共同作業がしやすかったりします。
5. 会社で困ること
リモートワークが前提となっている弊社ですが、たまに必要メンバーで集まることがあります。
メール < チャット < 電話 < ビデオ通話 < 直接会話 の順にインタラクティブ性が高くなっていくと思うのですが、最終的にフェイストゥフェイスにはかなわない部分があります。そういった部分を補うために、たまに集まって「あーでもないこーでもない」と議論するのは必要だと思います。
そもそも、自分が酒田にいる必要性って、このインタラクティブな部分だけだと思っているのですが、2週間おきぐらいに会ったり離れたりするペースは、なかなかいい塩梅なのではないかという気もしています。
作業が拠点に依存していないかという確認もできますし。
6. お家で困ること
会議していると、息子が乱入してくることがあります。あと、「晩御飯に角煮作っといて」という謎のタスクが降ってきて角煮を作らされる危険性があります。
かんそう
というわけで、充実したリモートワーク生活(リモ充)しているわけですが、3年前に「これからは、リモートでの場所にとらわれないワークスタイル!」という気持ちをもって山形にやってきたわけですが、3年半の間に、確実にリモートワークの流れが力強いものとなっていることを感じます。
酒田にあっても、東京や都市圏と変わらぬ仕事をすることは、普通にできる と実感しています。