セカイノカタチ

世界のカタチを探求するブログ。関数型言語に興味があり、HaskellやScalaを勉強中。最近はカメラの話題も多め

マーブルワーズ

GeForce Now とは何だったのか?

GeForce Now(ジーフォースナウ)とは、NVIDIA(エヌビディア)社が近々リリースするクラウドゲーミングサービスです。

近頃は、クラウド上にあるサーバーでゲームを実行し、その映像をネットワークを通して自分のパソコンやスマホに転送して表示させるという形式のクラウドゲーミングサービスが各社からリリースされ、注目されています。

ソニーは、Playstation now というサービスを2015年から提供しており古株なのですが、昨年は、GoogleがSTADIA(ステイディア)というサービスを欧米でローンチして話題となりました。Appleも少し毛色が違いますが、Apple Arcade(アップルアーケード)というサービスを開始していて、AppStoreにて多数のゲームを固定の月額利用料を払えば遊び放題というサービスを開始しました。更には、マイクロソフトは(これまた欧米で)Xbox Game Pass(エックスボックスゲームパス)というサービスを提供しており、月額利用料でXBox系のゲームが多数遊び放題になっています。

これらのサービスは月額制で似たような遊びを提供しているのですが、それぞれ微妙に内容が異なります(詳細については今回は割愛します)。そして、今回紹介のGeForce Nowもまた独自性を持ったサービスになります。

GeForce Nowは、一言でいうと「ゲームに特化したリモートデスクトップ提供サービス」となります。

ちょっと専門的な話になりますが、リモートデスクトップというのは、Windowsに搭載された機能で、ネットワークを介して遠くのパソコンの画面を自分のパソコン上に表示し、まるで目の前にそのパソコンがあるかのように操作することができる仕組みです。

単純に考えれば、この機能を使えば、おそらく2000年ぐらいからリモートマシン上で実行されたゲームを遊ぶことができたと思いますが(「艦これ」というゲームをするのにこの仕組みを使うのが流行った時期があります)、GeForce Nowというサービスは、このリモートデスクトップ接続先のマシンを大量に用意して、ユーザーに繋がせることでゲームをプレイする環境を準備したという事になります(ネットワークの遅延やデータ容量の問題があるので、ゲーム用に最適化されたソフトウェアが使用されていると思います)。

んで、なんでそんな話を突然始めたかというと、NVIDIAが募集していたクローズドベータテストに当選したからです!

先週頭に通知が届き、さっそく試してみたので感想を呼べようかという話になります。

で、どうなの?

正直に感想を述べると、「ガッカリサービス」でした。少なくとも僕向けではありませんでした(Not for meという奴です)。

どの辺が、ガッカリかというと、当初サービス内容が詳しく説明されていなかったので、「PS Now」のようにクラウド上のゲームを遊び放題になるサービスだと思っていました。

これは、単純に僕の勘違いだったので、期待が大きかった分がガッカリしただけの話なのですが、GeForce Now というサービスのルールを説明すると、「リモートマシン上でSteam(スチーム)など、PCゲームプラットフォームが提供しているゲームを(持っていれば)ダウンロード&インストールして遊べる」となります。

説明が難しい仕組みなのですが、SteamなどのPCゲームを販売しているサイトでゲームを持っている、もしくは購入することで、リモートデスクトップ上で、Steamが起動するのでログインIDとパスワードを入れればダウンロードしてインストールして使えるという事です。

リモートデスクトップの仕組みを知っている人であれば、この説明で理解できると思います。

「だったら、どんなゲームでも起動できるんじゃないの?」と思いますよね?

ところがどっこい、それはチェックして弾いています。

この辺のオペレーションの意味が理解できません。

指定のゲームしか起動できないのであれば、最初からそのゲームが起動して欲しいと思います。コンシューマ向けサービスとしては、それが普通なんじゃないかと思いますし、(日本じゃプレイできないので確認できないですが)GoogleのSTADIAなんかは、そういうオペレーションになるとアナウンスされていました。

更に、自分が試したケースでは、GeForce Nowをプレイした後に、自分のPCでゲームを起動しようとしたときに「他のPCでセッションが実行されています。このまま起動するとセッションが切断されます」というメッセージが表示されました。つまり、リモートデスクトップ上でセッションが残ってしまっていたということです。

「これってアカウント乗っ取られる危険性があるんじゃないの?」と少し(というか盛大に)不安になりました。

僕は、Steam秒を患っているので、Steamアカウントには、100本以上のゲームが登録されています。これらを失うとショックが大きいので、こういう仕組みは恐怖心をあおります。

そもそも、始める前のアカウント登録が非常に煩雑で、日本でGeForce Nowの回線を提供するアライアンスパートナーのソフトバンクのアカウントが必要になります。次に、そのソフトバンクのアカウントとNVIDIAのアカウントを紐づけます。すると、アカウントページが表示されるのですが、このページからGeForce Nowへのリンクは用意されていません。急に袋小路に放り出されます。軽くパニックになりながら、メールを確認すると、GeForce Nowのアプリへのリンクが送られてきていて、そこからアプリをダウンロード、インストールして、起動するとまたID/パスワードを求められるので入力すると、ようやくGeForce Nowのメイン画面に辿り着きます。

書いていてウンザリしてきました。

気を取り直して「さあゲームやろう」と、ゲームを探そうとすると、そのUIも最悪です。

メイン画面に一覧表示されているのは、Fortniteとか、Destiny2とか基本プレイ無料のゲームばかりで、それ以外のゲームは検索窓に文字を打ってゲームを探すのですが、100本ぐらいしかゲームが無いので、検索しても引っかからないし、どんなゲームがあるのか、一覧性が無いので適当に勘でゲームを探すことになります。

ていうは、もう少し酷い話をすると、「アカウントにログインしていない」状態であれば、ゲームの一覧が見られます(!!!)。ログインすると一覧が消えるという嫌がらせを受けます。これは何故なのでしょうか?理解に苦しみます。

更に気力を振り絞り、適当にゲームを選ぶと、なぜかSteamのログイン画面が表示されます。このブログは、全て理解したうえで書いているので、答えを書いていますが、初めて実行したときは、「GeForce Nowを起動したと思ったら、Steamが起動していた・・!?」という状況が理解できず、軽くパニックになりました。マジで自分のマシンでSteamが起動したのだと思い、「え?え?なんで」と頭の中にハテナが100個ぐらい浮かびました。

何回か、GeForce Nowを立ち上げたり落としたりした結果、自分のマシンではなくリモート上でSteamクライアントが立ち上がっているという受け入れがたい事実を飲み込むことができ、そこにログインするという違和感も「ベータテストだから」と我慢して、見知らぬマシンに自分のライブラリのゲームをインストールするという未知の体験を潜り抜けて、ようやくゲームを起動することができたのでした。

プレイしての感想

もはや、驚きの連続で、ゲームをプレイできていること自体が、既にGeForce Nowというゲームをクリアした達成感を与えてくれていたのですが、せっかくなので、ゲームをプレイしてみました。

残念ならが、その時つないでいたDualShock3(PS3のコントローラー)は認識されなかったので、キーボードとマウスでSEKIROをちょっといじってみた程度なのですが、遅延は少なくゲームプレイには違和感はなかったように思います。その点は頑張ってチューンナップしたのだろうと思われます。

画質については、くっきりはっきりしているタイミングもありますが、レスポンスを最優先にしているようで、ほぼモザイクがかかったような画質でのプレイになりました。回線の問題もあると思いますので、もっときれいな画質でプレイできることもあるのだろうとは思いますが、あまり期待しない方が良いと思います。

この点は、PS NowやSTADIAでも同じことが言えると思いますので、クラウドゲーミングサービス共通の課題だと思います。

あと、STADIAには搭載されているらしい、プレイ動画を直接Youtubeにアップしたり、ストリーミング配信する機能は無いみたいです。

誰向けなのか?

僕向けではない(Not for me)と言いましたが、では、誰向けなのでしょう?

これもまた中途半端なんですよね。GoogleのSTADIAも利用者像が不明確で苦戦を強いられていますが、GeForce Nowは更にぼんやりとしています。五里霧中と言ってもいいぐらいです。

まず、自分で高価なゲーミングPCを買うことのないカジュアルゲーマーやライトゲーマーですが、この人たちは、NVIDIAもGeForce(グラボのブランド)も知らないでしょうし、SteamやUPlayのアカウントも持っていないと思いますので、利用者とななり得ないでしょう。

これらのキーワードに慣れ親しんだ人たち、つまり、ハードコアゲーマーやゲームマニアですが、この人たちは、自分のゲーミングPCを持っていると思いますので、わざわざリモートでプレイすることもないといえます。というか、PCゲーマーはきれいで滑らかな映像を求めてパソコンでゲームをしているので、ギザギザモザイクでフレームレートも低いリモートプレイに価値を感じないのではないかと思います。ちなみに自分は感じません。

マックしか持っていない人がプレイするかもしれませんが、この人たちも、NVIDIAもGeForceもSteamもUPlayもOriginもEpicも聞き覚えが無いのではないかと思いますし、Apple純正のゲームプラットフォームであるApple Arcadeもありますし、百歩譲っても「即プレイできる」STADIAを選ぶのではないでしょうか。

結局、アカウント周りの仕組みの難しさを乗り越えることができるのは、PCゲーマーでしかないのですが、PCゲーマーにとっては、わざわざリモートで利用しようという訴求が薄いという矛盾を抱えているわけです。

ということで、僕にはどんな層が GeForce Now の顧客になるのかよくわかりませんでした。ひょっとしたら、意外な層に需要があって世界的なヒットになるかもしれませんが、そうなったら本当にびっくりです。

まとめると

本当は、スクリーンショットや動画も撮ったのですが、そんなの載せる程でもないので、文章だけで書き綴ってしまったことをお詫び申し上げます。

一応、ちゃんと当選した証拠にメイン画面の画像だけ貼っておきます。

それでは。

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