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ということで、いつものようにアマゾンプライムに出現したので観てみました。
データで見ると、アニメの放送が2003年だったようですね。どうりで、携帯電話が二つ折りの古いタイプだし、地球と月で「テレビ電話」で会話してるし、「いつの時代から見た未来だろう?」という感じでしたが、結構古いアニメだったんですね。アスペクト比がハイビジョン風だったので気が付きませんでした。
中学生以来アニメを観ていなかったので、10年単位で放送時期がわからないです。^^;
完全に浦島太郎状態ですね。
さて、内容ですが、宇宙のゴミ「デブリ」を拾う仕事を地球連合政府(?)から請け負っている部署の人達を主人公にした物語です。
Kindle版が1巻無料で読めたので、以前に1巻だけ読んでいたのですが、原作とは話の筋が大幅に変わっているみたいですね。
- 作者: 幸村誠
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/09/28
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原作を読んだ感じだと、淡々としたストーリーが綴られていく感じでしたが、アニメ版では、ドタバタのトラブルや恋愛、テロリストとの戦いなどの要素が織り交ぜられ、26話で完結するようにうまくまとめられていました。
後半はスケールが大きくなって行くのですが、ベースラインとしては、宇宙での生活を描いた日常物で、現在の技術の延長線上として違和感なく捉えることが出来る、現実的なSF作品となっています。
シナリオはオーソドックスな感じではあるものの、話の作りが丁寧で引き込まれます。大きな驚きはないけど、奇をてらって外してしまうこともないと言ったほうがいいでしょうか。ベテラン投手のピッチングの様に、ツボを抑えた作りで安心して見ていられる安定感があります。
バラバラのエピソードが、オムニバス形式で語られることの多い本作のストーリーですが、全体を一つの物語としてまとめ上げるのに重要な役割を担っているのが、主人公の一人、田名部愛(たなべあい)です。
彼女は、新卒でデブリ課に配属された元気印の女の子なんですが、「自分の信じる正義に向かって一直線、曲がったことが大嫌い」というタイプのキャラクターで、二言目には、大事なのは「愛」だと語ります。
最初は、「ステレオタイプな主人公キャラだなあ」と、やや安直なキャラクター設定に食傷気味な感じを受けたのですが、物語が進んでいくにつれ、大人たちの思惑に翻弄される彼女の真っ直ぐさが、本作の根底にあるテーマを浮き彫りにさせる重要な役割を担っていることが分かってきます。
後半、彼女は大きな苦難に直面して、得意の「愛」も当初の真っ直ぐさを失いますが、その困難は彼女を成長させ、一回り大きな「愛」に辿り着きます。
それとともに、本作のもう一人の主人公星野八郎太(ほしのはちろうた)の追い求める「宇宙飛行士としてのエゴを貫き通す」という世界観がシンクロしていき、最後の大団円に収束していくあたりの手腕は、熟練の職人の技を見るような素晴らしさでした。
大きな驚きはありませんが、とても良くできたストーリーです。
「いやあ、いい話を観たなあ」みたいな気持ちになりたい時に是非御覧ください。