以前、ヴィパッサナー瞑想10日間コースに行った経験をエントリーしましたが、それから既に1年以上経過しました。
その間僕は、熱心に瞑想を続けているかというとそうでもなくて、せいぜい10分間の瞑想を断続的に行っているにすぎません。
ヴィパッサナー瞑想コースでは、1日10時間の瞑想を行います。それに比べたら10分間というのは限りなく短いと思いますが、実際に座って目を閉じて10分間じっとしているのは、とても長く感じられます。
普通の人(?)にとって、瞑想する時間は一日0分が基本だと思いますので、10分間でも瞑想することは、この世界をより深く理解するのに大いに役立つんじゃないかと思います。
大体、人間の集中力なんて、10分も持てば良い方なので、それ以上の瞑想は蛇足とも言えます(極論)。
僕の場合、10分間のタイマーをセットして、集中力が持ちそうなら、もう10分。また10分と、10分単位で伸ばしていきます。調子が良い時は、30分経ったところで、30分追加して1時間の瞑想を行いますが、ごく稀にです。
最初から「1時間の瞑想をしよう!」と意気込んで始めると、すぐに挫折してしまうか、そもそも始めることが億劫になりますので、「10分から始める」のは、気軽に日常生活に瞑想を取り入れるのに適したやり方だと思います。もし、10分でも長いと感じるのであれば、5分や3分から始めれば良いですし、「やらない瞑想より、やる瞑想」です。一歩から始めましょう。
瞑想のやり方
瞑想のやり方は、色々な所に書いてあると思いますので、好きなやり方でやればよいと思いますが、自分の方法を少し紹介します。
- 部屋を薄暗くする
- 胡坐をかいて座る
- 目を閉じる
- 自分の呼吸に意識集中する
これだけです。
なるべく静かで落ち着いた場所でやった方が良いです。室温は暑くも寒くもない快適な温度が良いです。リラックスした服装で、楽な姿勢を取り、呼気に集中します。
瞑想中、何を考えているかというと、「自分が今、何を考えているかについて」考えています。
正確に言うと、考えるのではなく、感じて、観察しています。
無我についての説明エントリーで詳しく述べていますが、私たちの五感と脳は、自由になる部分が一切ありません。
放っておいても、耳は何かを聞こうとするし、目はモノを見ようとする。体は、痛みや痒み、感覚を常に脳に対して送り続けます。
そして、脳は、やってきた信号に反応して常に考えようとし続けます。
この動きに逆らうことはできないのです。
だから、静かに自分の身体が振る舞う様をありのままに観察し続けます。
脳が何かを考えているのは自然なことです。
耳が何かを聞いているのは自然なことです。
目が何かを見ているのは自然なことです。
身体が何かを感じているのは自然なことです。
舌や鼻に関しても同様です。
自身が世界の一部であり、ままならないことを観察し続けます。
これを10分間続けます。
なかなか忙しい作業なので、まともにやれば集中力が続かなくなって当たり前だと思います。
10分で悟れるのか?
悟れないです。
ただ、僕の考えでは、悟りというのは何か特別な状態やモノを指すわけではなく、世界に特別なものなど一切ないことを体感し、深く理解することだと思います。
すべてが相対的で、芯となるような絶対的な存在など芥子粒ほども存在しないのがこの世界の真実です。
一回10分の瞑想でも、繰り返していけば、そこに至るには十分な時間だと思います。
本当に悟りたければ、10時間でも100時間でも好きなだけやれば良いだけですし。
楽しんで、10分間、自分の人生から離れましょう。