セカイノカタチ

世界のカタチを探求するブログ。関数型言語に興味があり、HaskellやScalaを勉強中。最近はカメラの話題も多め

なぜマウスが今も使われていて今後も無くならないのか?

マウスは、ポインティングデバイスとしては歴史が古く(トラックボールが同時期に開発されているらしい)、かつ最も普及した装置だと思われます(ポインティングデバイスとしてはライトペンが最も古く1950年代からあるそうです)。

最近では、Macbookシリーズに搭載されているタッチパッド(トラックパッド)の性能が上がっており、その存在を脅かされつつありますが、それでもなおポインティングデバイスの王様として君臨しています。

いつかはマウスを置き換えるデバイスが現れる日が来るのだと思いますが、現状ではまだまだ現役として活躍し続けるでしょう。世の中にある商品は、何らかの理由があって選ばれており、完全に上位互換となる製品が現れるか、圧倒的なメリットがデメリットを上回るような製品が現れれば消えてゆく定めにあります。マウスに関しては、競合となるポインティングデバイスに対して圧倒的な利点を持っており、それ故に選ばれ続けるのだと思います。

それは、ひとえにポインティング操作のスピードと正確さです。画面上のある点を素早く正確に指さなければならない時、マウスを超える操作性を持つデバイスはありません。そのうえ安価で入手性も良い(これは歴史の賜物ですが)ので、簡単には置き換えられないでしょう。

以下に、現状割とポピュラーに使われているポインティングデバイスについて所感を述べたいと思います。

マウス

言わずもがな、ポインティングデバイスデバイスの王様です。最近は、タッチパッドに押され気味ですが、デスクトップPCにおいては他の追随を許さない存在でしょう。上にも書きましたが、安価に入手できて操作が容易なのが利点です。正確さやスピードに関しては、タッチパッドや他のデバイスでも同様に操作できるのでは?という疑問もあると思いますが、PCゲームの世界ではキーボードとマウスを使っての操作が一般的で、特に「エイミング」と呼ばれる的に照準を合わせる動作は、マウスの性能を他のデバイスで実現することは難しく、プロゲーマーも普通にマウスを使っています。

逆に苦手な操作としては、曲線や図形をなぞる操作は難しく、絵を書いたりするのは苦手です。また、広く平坦な作業領域を必要とするので、外出時の利用が難しいなどの制限があり、移動を前提としたラップトップでは、タッチパットが有利となります。

  • Good
    • 正確で高速なポイント操作
    • 安価で独立したデバイス
  • Bad
    • 別途デバイスを準備し作業領域が必要
    • 曲線や図形などの描画が難しい

Mouse

タッチパッド

AppleがMacbookに搭載し、ジェスチャーで様々な操作を実現できるようにソフトウェアを組んだことで大きく存在感を増しました。それまでは、マウスの動きを実現することに主眼が置かれ、タッチパットとしてのメリットというのは、ラップトップに組み込んで持ち運びが容易という点にしかなかったと思われます。ただし、持ち運びが容易というのは、今でもタッチパットが選ばれる最大の要因となっていることは間違いないと思います。

苦手な点としては、操作のスピードや正確性がマウスに比べるとやや劣る点だと思います。操作性は日々改良が加えられており、マウスを凌ぐ点もあると思いますが、スライド動作とクリック動作を同じ作業面で行わなければならないため、どうしてもドラッグ・アンド・ドロップや範囲選択などに不便を感じてしまいます。また、タッチパッド単体としての入手性は悪く、ラップトップに組み込みで提供されるため、デスクトップPCに単体で接続するためには、別途購入しなければなりません(そして高い)。

  • Good
    • ラップトップと一体化
    • ジェスチャーによる多彩で直感的な操作
  • Bad
    • ポイント操作のスピードや正確性がやや劣る
    • クリックと同時操作が難しい
    • 入手性が悪い

Touchpad

トラックポイント

キーボードのGとHの間に赤い点があるキーボードを見たことがある人はいるでしょうか?現在、このデバイスを提供しているのがレノボ1社だと思いますので絶滅危惧種です。以前は、トラックポイントを搭載したラップトップを他社も提供していたと思いますが、居なくなってしまいました。個人的には、大好きなデバイスなので無くならないで欲しいと思っています。

トラックポイントの利点は、なんと言ってもホームポジションから指を離すこと無くカーソル操作ができることです。PCを使っていると「なるべくキーボードから手を離したくない」という欲求が出てくるものですが、キーボードショートカットやカスタマイズに頼らずにそれを実現できるのがトラックポイントの良いところです。ミドルボタンを押しながら操作すれば画面スクロールもスムーズにできます。不思議なのですが、トラックポイントをちょっとでも触って操作すると、その後別のキーボードやラップトップを操作している時にもトラックポイントを探してしまいます。マウスやタッチパッドではこの現象は起きないので、トラックポイントがいかに使いやすいかの証明になると思います。

苦手な点としては、操作のスピードや正確性が劣ることです。タッチパッドよりも操作領域は少なくて住むので携帯性は抜群ですが、搭載されている製品は更に少なくなります。使いたければレノボ1択になります。

  • Good
    • ラップトップと一体化
    • ホームポジションから離れずに操作できる
  • Bad
    • ポイント操作のスピードや正確性がやや劣る
    • 入手性が悪い

Lenovo keyboard

タッチペン

MicrosoftのSurfaceシリーズなど、画面にタッチ機能を組み込んだ製品が増えてきました。タッチペンは、正確に操作ができて、絵や図形も書けるのでとても良いデバイスだと思います。また「筆圧」という入力情報は他のデバイスにはない利点です。

デメリットとしては、ラップトップと一体化しており、対象製品を買う以外の選択肢がほぼない事です。液タブを使うとか、iPadを外部入力装置として使うなどの選択肢もありますが、値段はそれなりにします。また、一見正確な操作ができそうなデバイスですが、「ラップトップの画面をペンで指す」という操作は、思ったよりも素早く正確に動けません。手がフラフラしてしまって定まらない事が多いため、マウスよりは劣ると思います。また、マウスを持ち歩くよりはマシですが、ペンを持ち歩かなければいけないのが若干面倒です。本体内に格納できるタイプはペンのサイズを犠牲にしていて操作性が下がり、しっかりとしたペンを使おうとすると、マグネットでくっつけたり別で持ち運んだりする必要があります。

  • Good
    • ラップトップと一体化
    • ダイレクトにポイント操作できる
    • 筆圧による操作
  • Bad
    • ポイント操作のスピードや正確性がやや劣る
    • 別途ペンが必要

Blognone Surface Pro 3 Review

タッチ

タッチペンに対応しているラップトップは、指によるタッチでも操作できます。ただし、これはお世辞にも使いやすいものではなく、簡易的に補助する役割でしか無いと思います。Appleが画面タッチ方式のラップトップを出さないのは、これらのデメリットを上回るような製品を開発するのが難しいからではないかと思います。

  • Good
    • ラップトップと一体化
    • ダイレクトにポイント操作できる
    • ペンが必要ない
  • Bad
    • ポイント操作のスピードや正確性が劣る

ペンタブ

ペン入力のための独立したデバイスです。普段の操作にペンタブを使っている人がどれだけいるかはわかりませんが、私が使ってみた感じでは、パソコンの操作には向かないと思いました。メリットとしては、絵や図形の描画がしやすいところで、液タブや画面タッチタイプのデバイスを買うより安いところでしょうか。いずれにせよ、ポインティングデバイスとして使用することはあまり想定されていないように思えますし、そのように使っている人は少数派だと思います(使っている方には失礼ですが)。

  • Good
    • ダイレクトにポイント操作できる
    • 筆圧による操作
    • 独立したデバイス
  • Bad
    • ポイント操作のスピードや正確性が劣る
    • 別途デバイスを準備し作業領域が必要
    • それなりに高価

Tablet and Pen

トラックボール

最後に挙げるのはトラックボールです。私自身使ったことがないので伝聞になりますが、職場で愛用している人間がいるので聞いてみました。

メリットとしては、マウスのようにデバイス自体を動かす必要がないので固定して使える点だそうです。寝っ転がっても使えるのが良いと言っていました。そして、操作のスピードと正確性に関しては、通常に使用する分には全く問題ないが、マウスよりは劣るようです。ポインタとボタンが分離しているのでドラッグ・アンド・ドロップや範囲選択は楽にできます。

欠点は、マウスより値段が張ることでしょうか。場所を選ばないといっても、持ち歩いて使うには大きすぎるという点も挙げられるかもしれません。慣れると手放せなくなるというのも間違いないようです。

  • Good
    • 独立したデバイス
    • 機器を固定したまま操作できる
  • Bad
    • ポイント操作のスピードや正確性がやや劣る
    • 別途デバイスが必要
    • それなりに高価

Trackball