セカイノカタチ

世界のカタチを探求するブログ。関数型言語に興味があり、HaskellやScalaを勉強中。最近はカメラの話題も多め

簡単なメモ術で思索をより深く、限界の先に導く方法

↓このブログのタイトルに付いている、謎のバナーについてです。

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今読んでいるこの記事の上にも付いていると思います。

これが何なのか、気になった方もいるかもしれないし、誰も気にしていないかも知れないのですが、実はこれ、僕が作って運営しているウェブサービスなんです。

その名も「マーブルワーズ」といいます。

元々は紙のメモ術の名前です

マーブルワーズとは、僕の作ったウェブサービスの名前でもあるのですが、それ以前に、アイデアや考え事をサポートするメモ術の名前でもあります。

まるでマーブルチョコのように、言葉がパラパラと散らばっていく様子から、マーブルワーズと名付けました。

つまり、例えるなら、言葉の「おはじき」です。

マーブルワーズをした結果は、このようになります。

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これは、マーブルワーズをテーマにマーブルワーズした結果です。

ざっくり言うと、テーマに沿って浮かんでくる言葉をドンドン書き出していくだけです。何も難しいことはありません。というか、これ以上簡単なやり方が無いぐらいです。

やりかた

では、やり方です。

  • 白い紙を用意する

まず白い紙を用意します。なるべく大きい紙のほうがスペースがあっていっぱい書けるので、A3がベストですが、A4でも良いです。それ以下のサイズだと頭の中身を吐き出しきれないのでキビシイかもしれません。

紙は無地でなければなりません。罫線や方眼が書いてあると、どうしても「線に合わせたい・枠に合わせたい」という本能が働き、自由な思考が束縛されます。偏ったりちぐはぐになっても気にせずに、のびのび書きましょう。

  • ペンを用意する

ペンは、なんでも構いません。マジックでもボールペンでもシャーペンでも何でも良いです。ただし、あまり太いと書ける量が減ってしまうので、細めのペンを選んだほうが良いと思います。色付きでも構いません。

  • テーマを真ん中に書く
  • 日付を端っこに書く

紙とペンの準備ができたら、真ん中にテーマを書き、丸で囲みます。そして端っこの方に日付を書きます。日付は無くてもよいのですが、マーブルワーズした紙を後で見返したときに、いつのメモだったか忘れてしまうので、書いておいたほうが良いです。年を食うと、過去の資料が年単位でわからなくなります。^^;

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ここまでで、こんな感じになったと思います。

  • 思いついた言葉をひたすら書く

ここまでできたら、もはや完成したも同然です。後は、テーマに沿って思いついたことをひたすら書いていきます。ただし、文章ではなく、単語やフレーズ単位で書き加え、丸で囲みます。

順番や位置や大きさや分類など、全く気にしなくて良いです。むしろ気にしてはいけません。

思いついた言葉をドンドン書き付けます。理想は思考のスピードと書き込むスピードが同じになることですが、これは不可能だと思いますので、なるべくすばやく書きなぐって行くと良いでしょう。

親しい内容の事柄は、近くに書いていくと良いでしょう(自然とそうなると思いますが)。さらに、関連の深い事柄だと思えば、言葉同士を線でつないでも良いです。グリグリと強調したり、ペンの色を変えても構いません。ただし、その場合でも思考のスピードに遅れを取らないように気をつけてください。

思考は生物です。短期的な思考は、わずか8秒しかもたないという話もあります。

集中してマーブルワーズをやっていると感じますが、8秒どころか、1秒とか3秒とかで忘れ去られてしまう記憶も普通にあります。一瞬のヒラメキを逃さず紙に落とし込むことに集中する必要があります。思索は後でゆっくりできます。とにかく、思いついたことをドンドン書いていきましょう。

これを「もう一通り書いたかな?」と思えるぐらいまで続けます。

頭の中でゴチャゴチャしていた事柄を一旦全部吐き出すと、もうそれ以上書くことがないので、当たり前ですが、ペンが止まります。

  • 10分ほど眺める

そしたら、書き出した言葉たちをしげしげと眺めながら、10分ほどおさらいをします。

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自分の場合だと、だいたい10分ぐらい経つ頃に「それ」が起こります。

頭にある単語を次々と書き出し、「もうこれ以上書くことはない」と思っていたはずなのに、目の前に並んだ単語たちの刺激によって、再び言葉が止めどもなく溢れてきます。

そしてそれは、それまでの言葉とは違い、それまで自分でも気が付かなかったような、新たな発見やアイデア、洞察や知見に満ちた言葉たちです。

  • さらに続ける。メモを取る

この時、単語やフレーズだけでなく、長めの文章的なものも頭に浮かんでくるので、別のメモ用紙を用意しておりて、それらの言葉をメモに取ると良いと思います。

今までより、一段深い考察を得られたことによる喜びと、自分の頭から、こんなにも素晴らしい洞察が飛び出してきたことの驚きと興奮を体験することが出来ると思います。

ぜひ、お試しください。

やってはいけないこと

基本的に自由に書けば良いだけのマーブルワーズですが、決してやってはいけないことが、一つだけあります。

それは、真ん中のテーマから、各ワードに線を伸ばすことです。

マーブルワーズの紙に書き出すワードは、そもそもテーマに関係する事柄のはずです。そのため、テーマから線を伸ばすとなると、すべてのワードに線が伸びることになります。これは無駄なので省略します。

また、(こちらのほうが重要なのですが)中央から外側に向かって線を伸ばしていくと、図表は樹木のようにツリーを形成することになります。

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ツリー状になるということは、テーマに沿った内容をカテゴライズすることを意味します。マーブルワーズをしている最中に、内容をカテゴライズするのは良くありません。なぜならば、カテゴライズするということは、内容の全体図が見えている必要があるからです。

今書いている、ワードが、幹なのか、枝なのか、葉なのかというのは、全体像が想像できていれば、カンで決めることができるかもしれませんが、これから全体像について考察しようとしているのに、全体像の把握を前提にするのは矛盾しています。

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つまり、ツリーを作っていくという方法は、既にある程度全体像を把握している事柄に対してしか、有効ではありません。もっというと、今の自分でも全体像を把握できるぐらい簡単な事柄にしか対処できないのです。複雑な問題や悩みというのは、全体像が把握できないものです。そんな巨大な敵に立ち向かう時には、ツリー状のメモというのは全く役に立たないのです。

知っている方なら気づいていると思いますが、ここでいう「ツリー状のメモ」というのは、マインドマップのことです。

Madrid - Mind Map

マインドマップは、まさにツリーのアプローチを取り、中心に配したテーマから、枝葉を伸ばしていく形で全体像を把握しようと試みます。しかし、ツリー状にメモが採れるのであれば、既に無意識の内に全体像を把握している事が多いため、本末転倒になります。

マインドマップは、その構造に致命的な欠陥を有しているのです。

マーブルワーズは、マインドマップのアンチテーゼなのです。

マーブルワーズの原理

マーブルワーズは、人の脳の思考がネットワーク的な構造をしていることに着目しています。

人の脳は、情報を整理整頓してしまいこんだりはしていません。ぐちゃぐちゃに放り込みながら、あとで思い出せるように、関連する情報と繋げておきます。

そうしておいて、後で関連する事柄が出てくると、その刺激に応じて、いろいろな言葉や映像や音や匂いなどの記憶を呼び起こしてくるのです。

呼び起こされた記憶は、新たな刺激となり、次に関連する記憶を呼び起こします。その記憶もまた次の記憶を呼び起こし・・・。と次々と連鎖的に、関連する情報の洪水が起きるわけです。

そして、この洪水の中から、必要な情報を選んで繋げていくことで、連続した思考を保つことができるのです。

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さらに、時系列で見ると、「現在考えていること」に相当する情報は、一つだけです。2つのことは同時に考えられませんし、一つ前に考えていたことは、基本的に「忘れて」います。もちろん、たった今考えていたことですから、思い出そうとすれば、すぐに思い出せる所に置いてあることは確かですが、場合によってはすぐに他の情報にかき消されて、忘却の彼方へ飛んでいってしまっているかもしれません。

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だから、マーブルワーズでは、書き出しのスピードにこだわります。

なるべくシンプルさを保ち、スピーディに脳の通った足跡を追跡できるように、記録にとどめます。1秒2秒の世界を争うのです。

そして、次々と連想していくネットワーク構造であるがゆえに、思考回路は同じところをぐるぐると回りやすいという特徴があります。

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悩み事を真剣に考えていると、「さっきも同じ所を通ったな」と思うことが多くあると思います。これは、脳の構造上仕方のないことです。

先まで考えていたことを忘れてしまう上に、情報の関連性が非常に強い情報として水面下に常に待機しているわけですから、ぐるっと一周回って同じところに戻ってしまうわけです。

マーブルワーズは、この堂々巡りを最小限に抑えることが可能です。

何故ならば、先程同じ所を通ったことが、目の前のメモによって即座に把握できるからです。その先に、どのような事柄がつながっているのかも、たちどころに把握できます。そのため、思考は堂々巡りすること無く、すばやく次の事柄に関する思索に移ることができます。時間が節約され、より深くテーマに関する思索を続けることが出来るようになります。

そういう意味で言うと、マーブルワーズは、頭の中の地図をそっくりそのまま紙の上に書き出す作業に他なりません。

真の意味でのマインドマップと言えると思います(が、マインドマップという名前は先に使われているので使えません)。

頭の中の地図を紙の上に書き出しながら、未踏のフロンティアに思索を進めていくわけです。これほどワクワクする冒険は他に無いと思います。

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最後に、マーブルワーズは、地図を片手に冒険を続けてきた私たちに、ご褒美を用意しています。

頭の中にある、ごちゃごちゃとした言葉がすべて書き出され、一望できる形で整理されたことにより、思考能力は、自分自身の限界を超えることができます(大げさな書き方ですが、自分の体験からすると、こう表現するしかありません)。

ほんの10分程度、時間が必要ですが、思索の結果をゆっくりと眺めることで、それまでの思考の限界を超えた、新しい洞察やヒラメキを得ることができます。

これは、とても不思議な体験ですが、マーブルワーズの仕組みを考えると、難しいことではありません。

人の思考に寄り添う形で、頭の中身を目の前に書き出しているわけですから、思考を続ける上で強力な手助けにならないはずがないのです。マーブルワーズが作り出した心の地図に、思考の肩代わりをしてもらうことで、より高い枝に手をのばすことができるようになるのです。

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繰り返しますが、ぜひ、マーブルワーズを試してみてください。

この驚きを体験して欲しいと、心から願います。

んで、バナーは何だったの?

マーブルワーズ本体の説明が長くなってしまいました。^^;

バナーの先にあるウェブサービスは、このマーブルワーズをウェブ上で簡単に再現できるアプリケーションで、こんな感じの見た目になります。

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左上にあるインプットボックスにカーソルをあてて、単語やフレーズを入力してエンターキーを押していくだけで、その言葉がランダムに散りばめられ、ドラッグ・アンド・ドロップで動かすことができます。

紙のマーブルワーズと違って、ワード同士を線で結ぶことはできないのですが、各ワードをダブルクリックすることにより、掘り下げることが出来るようになっています。

紙のマーブルワーズをやっていて、時折不満に思うのが、「この言葉についてもっと掘り下げて考えたい」と思った時に、簡単にはいかないということです。

アプリ版なら、そんな時に、ダブルクリックで気軽に掘り下げられるので、思索を縦方向に進むことができます。

このブログの記事の幾つかは、アプリ版マーブルワーズを利用して、思索をまとめました。

僕にとっては無くてはならないツールとなっています。

が、今の所使っているのが、ほぼ僕しかいないのですが、悩みや問題を抱えている人にとっては、きっと役に立つんじゃないかと思い、(1円にもならないんですが)このブログの特等席にバナーを置いているわけです。^^;

よかったら使ってみてください。